ロードバイクを選ぶ際の重要なポイントは、いわゆる「コンポ」という言われるもの。変速機、ブレーキ、クランクなどロードバイクを動かすメインのパーツです。一部互換性があるものがありますが、原則は互換性がないため、選んだ馬場パーツメーカーでそろえることになります。そこでロードバイクの主要コンポーネントメーカーである「シマノ」「カンパニョーロ」「スラム」について、各メーカーの哲学や特徴を述べていきたいと思います。ロードバイク選びで悩んでいる方の参考になればうれしいです。
以下に、それぞれのメーカーのコンポーネントの特徴を比較します。
1.シマノ(SHIMANO)

日本メーカーです。自転車業界におけるシェアも大きく信頼性も高いメーカーです。私もロードバイクを始めた頃(今から40年ほど前)から愛用しています。
特徴
○ 変速性能: 正確でスムーズな変速が魅力。カチッとした操作感で、初心者から上級者まで安定した変速が可能。
○操作方法: STI(Shimano Total Integration)レバーと呼ばれる、ブレーキレバーとシフトレバーが一体になった独自のシステムを採用。シフトアップは細いレバー、シフトダウンはブレーキレバーそのものを内側に倒すことで行います。
○グレードと価格: エントリーグレードからハイエンドまで幅広いラインナップがあります。上位モデルから、デュラエース(DURA-ACE)、アルテグラ(ULUTEGRA),105、ティアグラ(Tiagra)、ソラ(SORA)、クラリス(Claris)、ターニー(Tourney). 特に「105」は高いコストパフォーマンスで人気です。私も105は長年愛用していました。今は、アルテグラを使用しています。
○入手性と互換性: 世界中で広く使われているため、補修部品の入手が容易で、互換性も高いです。
○電動コンポ: Di2(Digital Integrated Intelligence)と呼ばれる電動コンポーネントも充実しています。より素早く正確な変速が可能です。2025年現在、「105」以上で採用。もともとは、デュラエース、アルテグラの10速からスタートした電動化も今は12速。バッテリーも小型化になるなど年々進化しています。
メリット:
○高い信頼性と安定性: どんな状況でも安定した性能を発揮します。
○コストパフォーマンス: 特にミドルグレード以下は、価格に対して非常に高い性能を持っています。
○入手性: 日本メーカーなので、ショップでの整備やパーツの入手がしやすいのも選ぶポイント
デメリット:
○個性が薄い: 多くのサイクリストが使っているため、他の人と被りやすいと感じる人もいます。
○操作感: 一部のサイクリストは、変速が機械的に「決まりすぎる」と感じることがあり、操作している感覚が薄いという意見もあります。正直、これは個人差があるかと思います。
2.カンパニョーロ(Campagnolo)

イタリアの老舗メーカーで、その美しいデザインと独自の操作感で根強いファンがいる「カンパニョーロ」です。
特徴:
○変速性能: シマノとは異なる、カチカチとした独特の変速感があります。
○操作方法: 変速は、ブレーキレバーの後ろにあるシフトレバーと、ブレーキレバー内側の親指で操作する小さなレバーで行います。この操作方法を「エルゴパワー」と呼び、親指でシフトダウンする独特の操作感が特徴です。
○デザイン: 美しい曲線やカーボン素材を多用した、芸術的なデザインが魅力です。
○ハイエンド志向: 比較的高価なモデルが多く、高級志向のブランドとして知られています。
○電動コンポ: EPS(Electronic Power Shift)という電動コンポもラインナップされていますが、シマノやスラムに比べると高価な傾向にあります。
メリット:
○所有欲を満たすデザイン: 他のブランドにはない、イタリアらしい洗練されたデザインが魅力です。
○独特の操作感: 「指で操作している」という感覚が強く、この操作感を好むサイクリストは多いです。
○希少性: シマノほど広く普及していないため、他の人と差別化を図りたい人には魅力的です。
デメリット:
○高価: 他のメーカーに比べて全体的に価格が高めです。
○入手性: 補修部品や専門知識を持つショップがシマノほど多くないため、メンテナンスに手間がかかる場合があります。
3.スラム(SRAM)

軽量性と革新的な技術で知られている、アメリカのメーカーです。シマノやカンパニョーロに比べて歴史が浅く新興メーカーです。
特徴:
○変速性能: 「ダブルタップ」と呼ばれる独自のシステムが特徴。一度のレバー操作でシフトアップとシフトダウンを使い分けます。
○操作方法: ブレーキレバーに一体化されたシフトレバーを、少し押せばシフトアップ、深く押せばシフトダウンという「ダブルタップ」方式を採用。電動コンポの「eTap」では、左右のレバーを同時に押すとフロントが変速する、直感的な操作方法です。
○軽量性: コンポーネント全体が軽量に作られており、ヒルクライムなど重量を気にするサイクリストに人気です。
○無線電動コンポ: ワイヤーを必要としない無線式の電動コンポーネント「eTap AXS」をいち早く製品化しました。
メリット:
○軽量: 他のブランドに比べて軽量なモデルが多く、バイク全体の軽量化に貢献します。
○革新的な技術: 無線電動コンポなど、常に新しい技術を積極的に取り入れています。
○シンプルで直感的: ダブルタップやeTapの操作は慣れれば非常にシンプルで直感的です。
デメリット:
○高価: ハイエンドモデルは高価です。
○操作感: ダブルタップの操作感は好みが分かれる場合があります。
○入手性: シマノほど広く普及していないため、補修部品の入手がスムーズではない場合があります。
4.まとめ
○シマノ: 迷ったらシマノ。安定した性能、高いコストパフォーマンス、充実したサポート体制が魅力です。
○カンパニョーロ: 性能だけでなく、デザインやブランドの歴史を重視する人におすすめ。独特の操作感も楽しめます。
○スラム: 軽量化や最先端の技術に興味がある人、シンプルで直感的な操作を求める人におすすめです。
最終的には、それぞれのブランドの操作感やデザインを実際に試してみていることをお勧めします。ご自身のライディングスタイルや好みに合うものを選ぶのが一番良いでしょう。
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